管理組合役員さん必見!管理のプロが教える大規模修繕工事の正しい進め方

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大規模修繕工事をご検討中の管理組合役員さん必見!管理のプロが大規模修繕工事の正しい進め方をご紹介します。

大規模修繕工事の発注方式として、責任施工方式、設計監理方式、管理会社主導方式の3つがあります。これについては詳しく別の記事でも紹介していますので、分からない方はこちらを先にご確認ください。

大規模修繕工事の3つの発注方式
大規模修繕工事の3つの発注方式をメリットとデメリットを交えて分かり易く解説します。

早速ですが、3つの発注方式の中でどれが最も最適だかお分かりですか?

見積もりの内容を精査することができる知識や資格を持つ人、また会社の経営状態が判断できる知識や資格を持つ人が役員や修繕委員にいたら最安で工事が出来る責任施工方式が最適です。

しかし、これまでの経験上このような知識をお持ちの方が役員や修繕委員に参加されて検討できている管理組合はほとんどありません。世帯数が大きくなれば、知識を持つ人が住んでいる可能性はありますが、現役の方であれば本業で忙しくボランティアとして時間を割くことが難しかったり、引退されている方であっても何かあった場合の責任が重たいと感じたりで協力者として名乗り出ないケースの方が多いのです。

では、そんな多くの管理組合の最適解は何でしょう?正解はこれです。

ズバリ!管理会社主導方式の一択です(管理会社が元請で大規模修繕工事を請け負える場合のみ)

私が管理会社の社員だから言っているのではありません。管理会社に元請で工事をしてもらうことが最適である理由が3つあります。順番に解説していきます。

理由①アフター保証までの体力がある

1つ目の理由は「アフター保証期間まで会社の体力がある」です。それを理解するには大規模修繕工事の失敗例を押さえておく必要があります。

失敗例①大規模修繕工事中に施工業者が倒産

A管理組合で責任施工方式により直接施工業者Bと請負契約を交わし大規模修繕工事が開始されたが、足場が設置された後に施工業者Bが倒産したため、数カ月間、足場が設置されたまま作業が中断した。

失敗例②大規模修繕工事アフター期間中に施工業者が倒産

C管理組合で設計監理方式により設計事務所Dと業務委託契約を締結し、その後施工業者Eと請負契約を交わし大規模修繕工事が開始され無事工事は完了した。その3年後に施工業者Eが倒産した。工事完了後5年以内に外壁からの雨漏れが発生したが、施工業者Eは倒産しているためアフター保証を受けられなかった。また、設計事務所Dもアフター保証の責任がないため、有償で他の業者に補修を依頼するしかなくなった。

これはどちらも実際にあった事例でしかもそこそこ実績のある施工会社です。つまり、大規模修繕工事をする上で重要なことは工事費用を抑えること以上に「アフター保証期間終了まで安心して任せることが出来る体力のある会社であること」が重要なのです。

ではなぜ管理会社が安心できるのかというと、管理会社のビジネスモデルに関係があります。管理会社の収益の柱で最も大きい項目がストック収入である管理委託費です。これは特に景気が悪くても下がることなく管理組合から毎月安定して売り上げとなります。ある程度の規模の管理会社であれば管理委託費という安定収入が確保されているため、工事事業の収入のみの工事会社よりも経営が安定しているといえます。これにより倒産のリスクが軽減され、大規模修繕工事のアフター保証の利益をしっかりと受けられることに繋がるのです。さらに輪番制で役員が毎年変更する管理組合の場合でも、管理会社に大規模修繕工事を発注していれば自発的にアフターの点検などを提案してきてくれるので引継ぎ漏れの心配もありません。

理由②ある程度の品質、対応が確約されている

次に2つ目の理由としては、「ある程度の品質、対応が確約されていること」です。管理会社の工事レベルが高いという意味ではありません。一見の工事会社であれば、その1回のみの取引となる可能性も多いことから契約にないことは「それはうちの仕事じゃないです。別途費用が掛かります。」ときっぱり断ってくることも珍しくありません。契約ごとであるため当然といえば当然です。それに比べて管理会社の場合は、工事費以外に管理委託費を支払う側ともらう側という明らかに上下の関係性があり、管理委託を解約されることが管理会社の最大のリスクであるため、多少のお願い事はサービスで聞いてくれることもしばしばです。無理難題を押し付けるのは良い関係性とは言えませんが、多少のお願い事であれば聞き入れてくれることもあるため、管理会社をうまく活用しましょう。

理由③設計監理方式による設計管理会社にはアフター保証がない

最後に3つ目の理由としては、「設計監理方式による設計管理会社にはアフター保証がない」という点です。設計監理会社の主な業務内容とは、調査診断、工事設計、工事監理です。設計監理方式を選択する管理組合の目的は大きく2点あり、金額の妥当性と工事中の第三者監理でしょう。しかし、金額の妥当性といっても、設計監理会社が談合していないという確証はどこにもありません。複数の企業から入札させて比較検討が出来る状態を提示されているように見えて、設計監理会社の独断の評価基準により企業評価がされて、ある1社に決まるように誘導されているケースも目にします。また、工事中の第三者監理についても、大規模修繕工事はアフター保証がある工事であり施工業者もアフター保証期間内に保証内の不具合が発生すれば余計な費用が掛かることになるため、名の通った企業であれば雑な工事はしないでしょう。また、監理方法も月に数回巡回にきて状況を確認するだけです。設計監理会社にはアフター保証がないため、施工の責任感が薄く、これまで設計監理方式の大規模修繕工事を見てきましたが特に必要性を感じませんでした。これであれば管理会社に発注すれば解消することでしょう。

管理会社への発注の注意点

以上のことから管理会社主導方式が最適解だと考えられます。ただし、管理会社への発注でも1点注意は必要です。管理会社からしか見積もりを取っていなければ責任施工方式で直接施工業者と契約するより1~2割ほど金額が高くなっている可能性が考えられます。最後の最後に管理会社の見積もりを減額するために、他の施工会社に見積もりを依頼して管理会社への発注金額の減額交渉をしましょう。こうすることで基本的には管理会社に業務も責任も丸投げができて費用も減額させることで大幅なコスト増にならず、アフター保証はしっかりと受けられるという最大の恩恵を受けられることとなります。

大規模修繕工事は工事費用のみに囚われず、アフター保証や管理組合へのトータルサポートを含む長期的な目線で考えて管理会社を上手に使うことが最も正しい進め方です。是非参考にしてください。

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