放置自転車の対応方法について 自力救済の禁止の原則

トラブル事例
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マンション内で度々発生する「放置自転車」

理事長さんで悩まれている方を多いのではないでしょうか。

実は勝手に処分してしまうと損害賠償請求される可能性があります。

そこで今回は放置自転車の撤去の注意点と手順をご紹介します。

なぜ勝手に撤去してはいけない?法的根拠

自分たちの敷地に誰かが勝手に自転車を置いている行為。

敷地の所有者であれば勝手に撤去してもよさそうに思います。

しかし、民法上で自力救済の禁止の原則があります。

自力救済の禁止の原則とは、下記のとおりです.

自力救済(じりききゅうさい、じりょく)とは、何らかの権利を侵害された者が、司法手続によらず実力をもって権利回復をはたすことをいう。刑事法の自救行為(じきゅうこうい)、国際法の自助・復仇がこれに該当する。これを規定した条文はないが、現代の民事法では例外を除き禁止されている。

Wikipediaより引用

つまり、土地の所有者は、たとえ放置自転車による不法行為があっても裁判をせずに勝手に自分で移動して問題解決してはいけないという事です。

自力救済の禁止に関する条文と背景

自力救済の禁止はどこに明記されているでしょうか。

実は、明確に定義した条文はありません。

しかし、自力救済が認められると暴力や強奪といった実力行使が発生する可能性があり社会の秩序を乱すリスクがあることから自力救済の禁止が原則となっています。

自力救済の禁止の例外

自力救済は禁止が原則ではありますが、一部で例外もあります。

過去の最高裁の判例で、法律の定める手続きをする時間的猶予がなく、緊急性がありやむを得ない特別の事情がある場合は、その必要の限度を超えない範囲で例外的に認められるとされています。

今回の放置自転車の場合でいうと、放置自転車により避難経路の妨げとなるため、危険な状態が明らかな場合には、勝手に移動させても自力救済の禁止は問われにくいと考えられます。

それでも勝手に処分までしてしまうと、自転車持ち主から損害賠償請求された場合は、目的達成の限度を超えていると判断され請求が認められる可能性が高くなります。

勝手に処分しないように注意しましょう。

放置自転車の対応手順

では放置自転車に対して出来る対応手順をご紹介します。

手順①防犯カメラの確認

まずは、防犯カメラが映っている場所がどうかチェックします。

映っている場合は、マンションの入居者か部外者か特定できる可能性があります。

これにより次の対応が大きく変わります。

手順②入居者への告知

マンション内外の特定ができない場合は、マンションの入居者に持ち主や心当たりのある人がいないか確認します。

方法は全戸にポスティングと掲示板への掲示です。

文書には自転車の写真を入れることがポイントです。

どの自転車が放置自転車か分かるように、また所有者が自分の物か分かるように写真付きで文書を作りましょう。

さらに自転車の持ち主が連絡する窓口を明確にして申告期日も設定しましょう。

告知から1か月ほどは期限を設けることが良いでしょう。

最後に期限までに申し出がなければ管理組合にて処分することを記載しておきましょう。

手順③外部への告知

マンション外部の方が放置している可能性も考えられます。

放置自転車本体にも注意文を設置しましょう。

先ほどのポスティング文書と同様に連絡窓口と申告期日を記載しましょう。

貼るときはガムテープなどで自転車に直接貼らないように注意します。

粘着が自転車に付いて汚損させて持ち主からクレームになるリスクがあります。

ハンドル部分や荷台部分などに紙を輪っかにして紙部分をホッチキスで止めるなどして汚損させないように配慮しましょう。

手順④移動と再告知

期限までに申告がなかった場合は、自転車を他の邪魔にならない場所に移動して再度手順②、手順③の再告知をします。

今回の再告知は持ち主が現れなければ〇月〇日に処分します。

と具体的に処分日まで記載します。

期限は再告知から1か月後に設定することが望ましいです。

手順⑤防犯登録の確認

再告知しても持ち主が不明な場合は、自転車に登録された防犯登録の確認をします。

警察にて自転車の盗難届がないか確認してもらいます。

もし、盗難届がされた自転車の場合は警察に引き渡して

警察から持ち主に連絡してもらいます。

手順⑥理事会で自転車の処分の検討

これまで初回の告知から約2ケ月です。ここまで告知しても持ち主不明の場合は、理事会にて処分を検討します。

自力救済の禁止により基本的には勝手に処分はできません。

しかし、ここまで告知しても申告がなかったことから考えると、持ち主が出てこず損害賠償請求をされる可能性は低いと考えられます。

理事会にて処分を判断してもいいでしょう。

ただし、明らかに高価な自転車であったり、数ケ月置いておけるスペースがある場合は処分せずに保管しておくことが良いでしょう。

放置自転車をさせない対策

放置自転車は非常に面倒な問題です。明らかに放置者が悪いのに勝手に処分もできない。

だからこそ放置自転車をさせない対策が重要となります。

最後にそれを紹介します。

対策①放置自転車禁止看板、掲示の設置

駐輪場に放置自転車禁止の看板や掲示文を設置します。

目立つように自立の看板が効果的です。

また警察に通報することや処分することを記載することで抑止効果が得られます。

対策②防犯カメラの設置

防犯カメラを設置することも効果があります。

防犯カメラを設置するポイントとしては、防犯カメラがあることを目立たせることです。

カメラの根元に防犯カメラ録画中などの看板をぶら下げたり、数か所にステッカーを貼ることで悪意ある放置自転車に対する高い抑止効果が期待できます。

対策③駐輪シールの定期更新

マンションの入居者に駐輪シールを設置してもらうことも良案です。

シールの有無でマンション内外の判断が出来るだけでなく、シールにナンバーを設置することでマンション内の誰の自転車かも判断が出来ます。

マンションの放置自転車は退去時に処分せずに放置されるケースも少なくないため、放置自転車対策に役立ちます。

さらに1年に1回、2年に1回のシール更新をすることで、入居者に使わない自転車の処分への意識付けの効果が期待でき一挙両得です。

終わりに

放置自転車は管理組合にとっては非常に面倒な問題です。

対策を放置すると放置自転車が放置自転車を呼び、適切な管理が困難になります。

無駄なスペースが必要となり管理組合にとってデメリットしかありません。

放置自転車を起こさせないようマンション毎に対策を検討していきましょう。

快適なマンションライフの一助になれば幸いです。

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